人の脳は、楽しかった経験よりも
辛かった経験を強く長く記憶に残す
という性質があります。

心理学用語で「ネガティブ・バイアス」
と呼ばれるものです。 
 
人類の進化の過程では、命に関わる恐ろしい体験や
身の危険を感じた場面などを、しっかり記憶に残すことで
将来のリスクに対して予防と対処ができる
合理的な脳の性質です。

でも逆に言うと
楽しかったことは忘れやすい、という
少々“割に合わない”性質でもあります。

例えば、仕事でも上手くいったことよりも
上手くいかなかった点、失敗したことの方ばかり
覚えているという経験はありませんか?

これは「ネガティブ・バイアス」が働いた結果です。

研修者によっては、ネガティブな記憶は
ポジティブな記憶に比べて3~10倍も(!)
強く長く残りやすいのだそう。

3~10倍だなんて、すごい差ですね! 

このバイアス=偏りを基に判断してしまうと
実は上手くいったことも、いかなかったことも両方あったのに
「今日は、全然上手くいかなかったな~」
と誤った認識になってしまうことも。

そこで大事なのは
「私たち人間の記憶には『ネガティブ・バイアス』という性質がある」
ということを知って、少し調整して考えること。

例えば「子供の頃、親に叱られてばかりだったな~」
などと思ったら、
「あっ、ネガティブ・バイアス!」と心の中で言って
子供の頃のポジティブな記憶、
親に遊んでもらったり、褒めてもらったりした経験を
なるべく多く思い出します。

人間の脳の性質上、
楽しい記憶は表面的には忘れていることも多いので
“一生懸命”思い出すのがポイント。

そしてその楽しかった記憶を
箇条書きにメモして、外在化・視覚化してみます。

すると「叱られたこともあったけど
愛情をかけてもらったこともあったよな~」
とバイアスが修正されて、公平な目で見ることができます。

また毎日の生活の中でも
家事や育児などで「相手がやってくれない!」など
不満に思う出来事は記憶に残りやすく、
「やってくれた」ことは印象に残らない、
ということを念頭に置いて、
「やってくれた」ことを、しっかり記憶していく。

「ありがとうって言わなきゃ」と心掛けるより
やってくれたことを“意識的に”記憶していくほうが
相手への感謝と「ありがとう」の言葉が
自然に出てくるかもしれません。

ネガティブなことは、飲み込もうとしても
ねばねばして喉に引っかかって取れないのに、
ポジティブなことは、まるで「ところてん」のように
つるんと入って後に残らないような
私たちの記憶の性質。

そのバイアスを覚えておいて
意識的にポジティブなことを記憶するということ。

ネガティブなことを忘れようと努力するよりも
実践的に役立つ場合も多いかもしれませんね。

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